時間に追われて排泄や入浴の世話をしたり、施設のルールに利用者を縛ったりするのではなく、利用者の幸せを考えるのが真の介護の仕事だと思います。
幸せにするといっても何か特別なことはしません。イベントなんかもしません。
その人らしい普通の暮らしができるよう考えてあげるのです。
排泄したいときにできる。とか、したい仕方でするとか。。。
したい時がわからない人には、介護者がしぐさや表情で感じとってあげたり。。。
それを感じとってあげるのが介護の技術です。
認知症の人は自分のことが判らなくなったり、自分のいる所が判らなくなったりします。
そうなると、すごく不安です。
その不安を取りのぞいてあげることも介護者の仕事です。
ゆっくりと寄り添って関わってあげることが必要です。
大規模施設の人は業務に追われてゆっくり関わることができないとよく言われますが、他の業務をさしおいても、優先しなければいけない仕事です。
また、できることをみつけてあげて、それをすることで自信を取り戻し不安な気持ちがなくなることもあります。女性はだいたいが今まで調理をしてきたので、認知症の深い人でも野菜の皮むきとかはできます。米とぎもできます。
この辺は田舎なので、畑にでて草を見ると自然に体が動き草むしりをされます。たまに、大事なものもむしったりもしますが、それは、大事なことではありません。若いスタッフもむしってしまいますし。知っていても見過ごすこともあります。それよりも、その人らしく生活できているのかが大事なことです。
そういうことを生活のなかでたくさん考えてあげて、不安を取りのぞいてあげるのが真の介護の仕事です。
※春日おおかみの家 喜多さん文章より抜粋させていただきました。
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